久留米市で水害覚書

NHKで報道されると違いますなあ。あちこちから安否確認のお電話をいただきます。ありがとうございます。うちは大丈夫です。

 

とはいえ、城島地区の皆様、お見舞い申し上げます。小学校も浸かってしまって、給食室を消毒せにゃならんとか。大変だ。

 

大雨冠水の爪痕大きく 機材故障、商品廃棄も

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/624797/

 

2018年の西日本豪雨に続いて浸水した久留米市合川のスーパー「ジョイント久留米店」。事前に入り口や非常口に止水板や土のうを置いたが、排水口や建物の隙間から浸水し約60センチの高さまで漬かった。店内の商品約3万点はほぼ全て廃棄し、当面休業する。

 

水がひいた翌朝通りがかったら、駐車場の入口に一台のりすててありました。多分、増水して縁石が見えずのりあげちゃって動けなくなったのかな。今回は車の被害はすくなかったようですが、まあ保険やさんも二度目は出してくれませんから。

 

「もうやめてくれ」4年続けて農地の被害を受けた農家は…福岡

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200710/k10012507561000.html

 

このうち久留米市北野町の香月勝昭さん(41)は3.5ヘクタールの農地でパクチーを生産しています。今回の豪雨で76棟の農業用ハウス、すべてが泥水につかりパクチーが出荷できなくなりました。被害額は少なくとも1000万円にのぼるとみられています。

 

中略

 

さらに、泥水につかった農地は乾燥させたあと消毒する必要があり、再び農産物を収穫できるまでに少なくとも3か月はかかります。香月さんの農地では従業員など9人が働いていて、厳しい経営を迫られるとしています。今回は新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んでいた外食向けの野菜の需要が戻り始めたやさきの被害でした。

 

研修生(というアレですかね、しらんけど)を使って、水菜や小松菜、ほうれん草を一年中出荷していく、ってのがこのエリアのやりかたですな。筑後川のそばなので地下水も豊富だし、井戸も浅くていいので、一面ハウスだらけ。

 

 

 城島もそうですが「~島」って地名は、周辺が川だったり海だったりと、まあ水気のおおいところだったわけで。とはいえ、排水のためのポンプを増設、となると人のいるところが優先となりますし。

 

内水氾濫を調べていたら、こんなものが。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/63/508/63_KJ00004222614/_pdf/-char/ja

 

20年ほどまえですから古い、といって差し支えない論文なのでしょうが、いまだ終わらぬ治水計画が構想された経緯などがまとまっています。やはり昭和28年の久留米大水害を契機に、筑後川とならんで吉野川利根川なども指定され水路、堰などが整備されていったのですね。

もちろん、福岡への取水口や導水路、筑紫野にある人口湖などもこの計画の一部です。総予算なんぼやろ。また、これにあわせて県や市の予算で付随整備されるわけです。

 

 が、整備が進むにつれ地域で頻発していた小氾濫が改善されたものの、ポンプの能力不足や排水の系統、国営水路とそのほかの連携不足などによる内水氾濫が増えてきたように思います。

「山に雨が降ると、ドイツでは一か月で海にでる。日本だと三日だ」ってききましたけど、水路の直線化ってそれだけ効果があるんですね。

 

 

河況係数、って概念が。

 

https://www.inakajin.or.jp/portals/0/resource/sosui/what/02.html

 

最大/最少流量で8671倍の差がある筑後川

普通の水道をだしっぱにすると、毎分12Lながれます。これを最小と見立てると、最大に流れる量は毎分104052L。毎分100立方です。8コースある小学校のプールが480立方くらい。5分で満水にできる勢いかあ。これが同じ川に流れるわけで。えらいこっちゃ。普通の消防車は毎分1.5~2立方くらいだそうですんで、普通の水道と消防車50台分、どちらの水量にも対応せにゃならんとは。

 

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7/6、16時くらいの八丁島。

 

 

 12月の風景らしいんで、麦をまいたくらいでしょうか。

田んぼの湛水機能も馬鹿にできんもんですな。