豪雨と赤潮

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090731-OYS1T00605.htm

赤潮が発生し赤茶色に染まった有明海(31日午前11時27分、熊本県上天草市沖で、本社ヘリから)=中嶋基樹撮影 有明海沿岸や熊本県沖の八代海など広い範囲で赤潮が発生している。佐賀県有明水産振興センターによると、今月下旬の大雨で、河川から栄養分を含んだ水が海に流れ出た影響とみられ、養殖魚が大量死する被害も出ている。

 有明海では特に佐賀、長崎、熊本県の沖合で広がっている。熊本県水産研究センターによると、同県沖では3日に確認され、28日には県内の測定地点全13か所で赤潮発生の警報値を上回った。熊本県沖の有明海全域での赤潮確認は19年ぶりで、天草市上天草市八代海で約1万3000匹の養殖ブリが死んだという。

 長崎県では、島原半島沿岸の有明海南部で養殖ブリ約1万7000匹が死ぬ被害が22日に発生。長崎市沖の橘湾東部でも6〜7日に赤潮が出始め、県は26日に橘湾での拡大を確認した。

 各県は「今後梅雨明けし、晴天が続けば水温が上がり、赤潮の被害が拡大する恐れがある」と警戒している。

(2009年7月31日 読売新聞)


森が減り、一度に山の栄養分が海に流れ出るようになると、こういうことになるのですね。
赤潮の原因って、都市からの生活廃水が一番だったように思っていたのですが、下水処理の発達したんでしょうか、と思っていたら。



http://www.ariakekai.info/hyouka-akasiho.html


小型珪藻類は年中発生。基礎生産者として重要であり、食物連鎖の根幹をなすので、これらの赤潮はある程度やむを得ないであろう。これらの種は、河川から栄養塩が供給されて塩分が減少し、強い照度を与える晴天が続くと底泥中の休眠期細胞が発芽、繁殖して赤潮となる。透明度の上昇は発芽機会の増加につながり、赤潮増加の原因になると考えられる。


つまり、河川の水が一気に流れ込む→塩分が下がるし、海水の透明度も上がって藻が発生しやすくなる→条件が揃えば一気に発芽して赤潮!という流れなんですね。


[この説明の問題点]
1.小型珪藻による赤潮の発生メカニズム:近年、有明海奥部海域では透明度が上昇していることが観測されているが、そのことが小型珪藻類の赤潮発生の頻発化に大きく関与している可能性が高いという説明である。これらの珪藻類は休眠期細胞を作り、海底の泥や砂の中に保存されている。海水の透明度が上昇して海底まで届く光量が増加すると、その休眠期細胞の発芽を促進し、栄養細胞(植物プランクトンとして水中に浮遊している細胞)が増殖しやすくなるということである。一見もっともらしい説明であるが、実はこの説明の根幹をなす「透明度の上昇によって海底に届く光量がどの程度増加したか」というこは、過去において、どの研究機関においてもまったく測定されたことがない。この報告書にも、光量のデータには一切触れられていない。また、このような透明度の上昇によって小型珪藻赤潮の休眠期細胞の発芽が促進されて、赤潮が発生しやすくなったという現象に関して、他の海域も含めて、そのような現象を報告した事例もない。したがって、この説明は単なる思いこみ、架空の作り話の域を出ていない。何ら科学的に立証された結論ではない。


おっと、釣られるところだったぜ!(笑)


ただ、この「底泥中」というのがちと気に掛かる。そんなに滞留しているもんなのか?という素朴な疑問がひとつと、そういえば諫早湾干拓堤防開門反対派の意見のひとつに泥が…、というのを聞いたことがあります。


まだ、赤潮発生のメカニズムはわかっていない、としたほうがよさそうですね。

http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009073101000388.html

大発生しているのは植物プランクトン「シャットネラアンティーカ」で、海は赤茶色に染まっているという。海水1ミリリットル当たり10細胞以上が警報値だが、30日の県の調査では最大で3万3千細胞が確認された。

そろそろ、海苔のシーズンが始まるそうです。まずは海苔網に、種をつけていくんですよ…って言われてもわからーん!また、古賀君に教えてもらおうっと。よろしくです。