日本の食は安すぎる!

山本謙冶さん、ちゅう人がおられまして。
肩書きは「農産物流通コンサルタント」「農政・食生活ジャーナリスト」

そげな肩書きよりか、「さすらいの食い倒れ」ちょる人、と言った方が通じるかもしれん(笑)

「やまけんの出張食い倒れ日記」 
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/

B級グルメから、高級フレンチ、イタリアン、和食まで、食の世界を縦横無尽に駆け巡っておられる方です。


東京での講演会だったんですが、出張日記のほうの話とは趣がやや違い、食糧自給率のはなしから、流通コストの話、「日本の食ははたして高いのか」、日本の農業の行方、などなど、三時間にわたる長丁場でしたが非常に参考になる話ばかりでした。


ひとつだけ。

エシカル・ソーシング」という言葉を教えていただきました。
倫理的な調達、ということ。買い手側が、相手企業や相手国に過度の負担を与えてはいけない、という調達論理です。要は、フェアトレード、なんですがちょっと違うのは環境や、生育方法まで踏み込むこと。フェアトレードは主に金銭面、また労働環境くらいまでなんですが、たとえば相手国の水資源や、過度の密飼いをしていないか?などなど、人的資源だけでなく、環境資源の収奪まで検討して取引する、というもの。
たとえば、雨の少ない地域からの木材輸入は水を収奪していることになる、と。降水量が比較的多い日本の人工林蓄積から試算すると、少なくとも年間生長量だけで自給率6割は達成できる、という試算もあったりしますよ。


あ、あとまいっちょ。

「ダレも好き好んで偽装しない」
HACCPやISO22000などを取得済みの工場であってもおきてしまった「毒入り餃子事件」なんとなく、うやむやな政治的解決に落ち着いてしまったようですが、なぜ起きたのか?餃子に限らず、偽装米や、もち吉の従業員による殺虫剤の混入など、食品の事故、事件はあとを絶ちません。なぜ、なのか?今一度、考えてみる必要があるかと思います。農業でも、あたらしくGAP認証など浸透してきていますが、認証はしょせん認証でしかないんです。限度、限界というのがあるんです。有機認証も、よくやってると思いますが、限度があるんです。それを理解したうえで、じゃあどうしよう、というお話でした。


新しく、講談社新書から著書も出されたようです。ぜひ。