銀杏中毒、ってのがあるのか!!

いや、もう銀杏が好きで好きで・・・、というお話ではなくて。

朝日新聞の中村です
ギンナン中毒について、以前、以下のような記事を書きました。中毒学会で話題になったのがきっかけです。ご参考まで。


幼児にギンナン危険 数粒食べて中毒症状 専門家呼びかけ【大阪】
       2000年10月14日 夕刊 012ページ 2社会     写   955字

ギンナンが食卓にのぼる季節を迎えた。あぶってぱらりと塩を振れば、秋の香りが立ちのぼる。でも、小さな子どもに食べさせるのはちょっと待って。数粒食べただけで、けいれんなど中毒症状を起こすことがある。最近の研究で、ギンナンに含まれる成分が、神経に働くビタミンB6の作用を妨げ、中毒が起きることが分かってきた。ビタミンB6を注射すれば、症状は数時間で消えるが、医師でも知らない人は多い。専門家は「解毒の力が弱い幼い子どもには食べさせないように」と呼びかける。

先月中旬、四国で三歳の幼児が夕食にギンナンを六、七粒食べ、その日深夜に吐いて左手がこわ張る中毒症状を起こした。目は片側を向きっぱなしになり、名前を呼んでも反応がなくなった。救急車で病院に運ばれ、しばらく入院した。

北海道医療大学薬学部の和田啓爾教授(衛生化学)によると、今年は少なくとも五人がギンナン中毒を起こした。国内では過去約八十人の患者が学会で報告され、うち約三十人が死亡している。ほとんどは三歳以下だ。食べたギンナンの数は数粒から数十粒と個人差が大きい。原因不明のけいれんと診断された場合も多いと推測される。

ギンナンが中毒を起こすことは江戸時代から知られていた。原因は不明だったが、和田教授が十五年前、ギンナンからメチルピリドキシン(MPN)という中毒物質を見つけた。

最近の研究では、MPNが脳内でビタミンB6の働きを妨げるため、神経伝達物質がうまく代謝できなくなり、けいれんなどの中枢神経症状を起こすことが分かってきた。大人は肝臓にMPNを解毒する酵素があるが、幼児では解毒能力が発達していないため中毒する、と考えられている。

予防法は食べないこと。一粒だけで中毒した例は報告されていないが、和田教授は「七歳の子が中毒したこともあるので、十歳未満の子どもには食べさせないのが一番」と注意する。
MPNは構造がビタミンB6によく似ている。現行の食品栄養標準成分表(四訂版)にはギンナンがビタミンB6の豊富な食品として載っているが、誤ってMPNを測っていたことも分かった。来月出る五訂版では改められる予定だ。


銀杏を食べて3〜5時間で発症することが多いみたいです。

銀杏は、オトナの食べ物ですな。ま、なにごとも量を過ぎれば毒となりますし、どんなに良いものでも質が変わります。