平田産業見学

ひとまず、写真だけ。工場はいいねえ。萌えます(ヲイ)

レンガ造りの煙突。台風19号で3本あったうちの2本が倒壊、現存するのは1本のみ。



側の小屋で補修を待つ「玉締め」の搾油機。左側のふくらんだ御餅みたいなんが受け側。ここに菜種などをいれて、右側に倒れている石が下りてきて圧搾します。


これが菜種。オーストラリア産、非遺伝子組み換えのもの。黒っぽいんですが、国産の菜種はもっと黒いです。大手の業者は遺伝子組み換え、ラウンドアップレディーな菜種を、2万トンのタンカーで港へ横付け、港の脇に建設した工場で搾ります。
平田産業では、甘木に工場がありますので、昔は貨物列車、今は20トンのコンテナ単位で受け入れ、搾油してあります。なぜ甘木なの?それは後ほど。


これが「クッカー」と呼ばれる機械。ここで蒸気をあてて菜種を蒸します。急に温度をあげるわけではなく、5段階にわけて徐々に温度をあげていきます。その後ろに見えるのが圧偏機。蒸気であたたまった菜種をあらかじめ潰します。


圧偏機のなか。ここは蒸気ではなく火力。


最初の菜種が、こんなカンジに潰されます。


これを圧搾機でしぼり、原油となたね粕に分けます。


なたね粕には2割ほどまだ油が残っている状態です。


これが湯洗い。一度に2トン処理します。油洗いってなんじゃー?菜種の原油にはガム質、たんぱく質などの不純物が含まれていますんで、それを食酢や温水を投入することにより凝固、沈殿させたり下から回収したりして純度を高めていきます。通常はそんな面倒で時間とコストのかかることはやってらんないので、リン酸、シュウ酸、苛性ソーダなどを使用します。


タンクの中。このパイプの中を蒸気がめぐり、ゆっくり加温します。


こちらは湯洗い中。うえから温水がだばだばと。湯洗いを8回くりかえすそうです。
ここで抜き取ると、通常「赤水」と呼ばれる菜種油ができます。
この赤水を白土で脱色、真空塔で噴霧して脱臭、という行程を経て菜種油の完成です。



なたね粕の袋の写真。上と下の袋はどうちがうでしょうか?
ちょっとわかりづらいのですが、上の袋は紙が二枚。下の袋は紙と紙の間にビニールがはさまっております。


上の袋は、ノルマルヘキサンを使って油を抽出したあとの粕なんです。下は、一番搾りの菜種粕。
油分のあるなし、なんですな。

この菜種粕、畑にまいてもいいんですが、飼料用としても引き合いがあるそうで。一番搾りの菜種粕は肉牛向け、油分がないほうは乳牛向け。油があると、乳腺がつまるそうで。へえええええ。もちろん、畑には一番搾りのほうです。


そして、こちらは別棟の工場。実は、古い工場でしばらく使っていなかったのですが、ここ数年、小さいロットで搾ってもらえないか、と引き合いが多くなったので稼動させながら再度整備しているところ。


これは小型の鍋。小ロットのものは、鍋で加熱、そのまま搾ります。湯洗い、脱色、脱臭などの工程は一緒です。機械はすべてスモールサイズ。昔はコレくらいの工場が全国に2400箇所ちかくあったそうですが、今ではコストダウン、大量処理のために生産設備の大型化、40箇所あまりとなったそうです。


揚げたての大学イモとてんぷら。うめえええええええええ。大学いものほうは、メープルシロップがかかっています。もう一度いいます。うめええええええええええええええ。

オーストラリア南部のカンガルー島、タスマニア島の生産者との交流も。年に二度、視察にいきますし、生産者も年に一度、日本にきて北海道から九州まで、消費者のところを案内します、と。


これはJR甘木の引込み線跡。昔は鉄道貨物が主だったので、鹿児島、宮崎から菜種が、また筑豊からは熱源である石炭が毎日のように入ってきていたそうです。通常、菜種は輸入が主なので(菜種の自給率ってどんなもんなんだろ?)港の側に工場を建設したほうが輸送コスト的に有利なのですが、平田産業では化学薬品で脱ガム、脱酸しませんし、湯洗いも通常1回なのですが、8回やります。綺麗で豊かな水資源、そして貨物輸送の拠点が、ということで甘木に工場を建設されたそうです。
今では周りが住宅街となり、法律の関係もありあらたに大きな工場を建てることは難しいのですが、改修を重ねて頑張っておられます。


左が青木さん。右が平田社長。お忙しい中、ご案内いただきました。ありがとうございました!


左が営業の鈴木さん。産地での講演会から催事での店頭販売まで、忙しく駆け巡る毎日。いろいろとありがとうございました。いつも無理ばっか言ってすいません。これからも言いますのでよろしくお願いします(爆)


菜種あぶらに関するちいさなメモ
http://d.hatena.ne.jp/wwwkurashijp/20091106/1257511636