海苔と、白竹の関係

さて、話題は黒木からずずいと下って有明海
海苔と、白竹には密接な関係がありました。


これですよこれこれ。これって言われても分かるのは海苔マニアくらいのもんですか。海苔の網を支える「支柱」です。これ、昔は竹だったんですよ。主に真竹の一種である「白竹」が使われていたそうです。


小間、と呼ばれる海苔網の張り込み単位があります。
一小間の面積は、36m*18m。この区画に、海苔網を10枚張り込んでいきます(地区によって12枚のところもあります)。一小間に使う支柱の本数は約70本。有明海全体で約60000小間といいますから、420万本?
もちろん、竹の供給地は黒木だけではなく佐賀や熊本方面からもあったでしょうけども、一大産業だったわけです。
しかし、重い、耐用年数が二年、どうかすると折れる、作業が大変、と安い以外はあまりメリットの無い竹。一部以外ではFRPに置き換わってしまいました。


いや、竹のほうがエコでしょ?と思われる向きもあるかもしれませんが、シーズンが終わってフジツボやいろんなものがわんさかついて、なおかつ湿ってすぐに燃えない竹を港に持って帰ってきて焼却処分(現在では野焼きができませんので、産廃業者に処分してもらうことになります)となると、耐用年数の長いFRPのほうにメリットがあるかと。


残念ながら、今では需要も減退。竹林の整備をする経済的メリットは薄れてしまいました。林業や農業の衰退、中山間地域の過疎化など、時代の変化に伴い、山には竹がはびこる結果となっております。


なぜ、山に竹があるといけないのか?
これは、竹の根の張り方にあります。
竹の根っこってのは、横に網目状に広がるのです。深さはせいぜい2mくらいまで。そうすると、大雨のときに地盤ごと地すべり、大災害となります。これが、山で嫌われる理由です。