植物性ヘマグルチニン毒素

  • 植物性ヘマグルチニンは糖結合たんぱく質のレクチン由来(Kidney Bean Lectin)の毒素です。豆類の中でも特にキドニー・ビーンといわれる、いんげん豆(Phaseolus vulgaris)に大量に含有されます。

この毒素は摂食後1-3時間で発症し、入院が必要なほど重症となりますが、一般的には数時間で回復するのも特徴です。生の場合には4-5粒の摂食でも危険といわれますが、加熱により毒素は大幅に軽減されます。ただし要注意なのは、加熱中に毒素が生より増加するといわれます。
一般的な加熱調理をする通常の食事で問題が表面化することは多くありませんが、摂氏85度以上の加熱でも完全には解毒できませんから豆類の大量の摂食には問題があります。また、赤系いんげん豆には白系いんげん豆の3倍以上の毒素が含まれます。
赤系いんげん豆も同じ学名のファセオラス(Phaseolus vulgaris)で呼ばれていますから、サプリメントなどは注意が必要です。
植物性ヘマグルチニンは毒性がありますが、生体の防御に重要な働きをする糖鎖を認識する物質のひとつでもあります。