そばの「三たて」

俗に、三たてって言いますけど。

  • 挽きたて(製粉したて)
  • 打ちたて(手打ちにせよ、機械にせよ)
  • 茹でたて(蕎麦屋の主人の仕事でっせ)

ちなみに、市販の「そば」と書ける限界は「三割」
つまり、三割そば粉が入っていれば「そば」を名乗れるわけです。そら一袋30円だわな。

もういっこ言うと、そばの産地ってのは「製粉したところ」を表示できます。
そら信州産やら、北海道産があれだけ出回りますわなー。

「乾めん類の日本農林規格」[2](JAS)の「干しそばの規格」において、蕎麦粉の配合割合が40%以上の麺を標準品、50%以上の麺を上級品としている。「生めん」については、不当景品類及び不当表示防止法に基づく「生めん類の表示に関する公正競争規約[3]」が定められており、その中で「そば粉30%以上」の製品について「そば」との表示が認められる。また、「良質のそば粉50%以上」含まれているものについては「高級、純良、特選、スペシャル等、その他これらに類似するものとして公正取引協議会で指定する文言」の表示が認められている。

半分そば粉だったら「特選」を名乗れるのねん。


打ち粉は市販されておらず。
といっても、ネットなどで購入可能。


鬼皮むいて、挽き割って、甘皮むいて、そっから製粉。
って、挽き方によるのかなあ。

機械製粉と石臼による製粉の差もあるしね。


黒いそば、ってのは一般的に甘皮まで一緒に挽いたものを製麺すると出来上がるんだが、つなぎとして入れた海藻の粉末だったりするので一概にはなんとも。


そば粉には小麦粉のようなグルテンはありません。ただし、そば粉のたんぱく質は水に溶けると粘りを生じるので、その力だけでそば粉をつなぐこともできます。製粉の際に肌理を細かくすると10割も可能、ってのは、この特性を生かしたうち方をするから。


ただ、グルテンの綱目構造のような強い麺帯形成力にはならないので、通常は小麦粉を適宜に混ぜて打ちます。二八、とか、四分六、とか。外二、とかもありますね。

中の実のほとんどはたんぱく質
そば粉のたんぱく質含有量は、一番粉(内層粉)が6%、二番粉(中層粉)が10.2%、三番粉(外層粉)は15%。

粉の分類はwikipediaに詳しい。
「そば粉」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%95%8E%E9%BA%A6%E7%B2%89

一番粉 内層粉、そばの実の中心部分の胚乳のさらに中心部が主体、白色で旨味や甘みが高い最上級粉だがそば独特の香りや風味に欠ける。成分は主に炭水化物(でんぷん)と水分。更科粉とも。

二番粉 中層粉、胚乳と子葉(胚芽)の一部が主体、うす緑黄色で香りが高く風味に優れ栄養価も高い。

三番粉 表層粉、胚乳の一部と子葉(胚芽)と種皮(甘皮)の一部、うす青緑色で香りが非常に強く栄養価が非常に高いが味と食感に劣る。

末粉  子葉(胚芽)と種皮(甘皮)、黒っぽく風味は強いが食感は劣る。主として乾麺などに使用。

ひきぐるみは、抜き実もしくは玄蕎麦を直接ひいた粉を篩で調製したものである。つまり、一番粉、二番粉等に分けたものをあわせた粉ではない。

更科粉は主に一番粉を主体とした白っぽい内層粉もしくは一番粉のみで作られる。

更科蕎麦は、更科粉主体で打った白い色のごく高級な蕎麦麺である。

たんぱく質がほとんど含まれない更科粉の10割蕎麦は、つながりづらく長い麺が打てないどころか名人でないとボロボロとして麺に打つことすら困難である。


http://www.technex.co.jp/tinycafe/discovery22.html

小型走査電子顕微鏡を販売している会社のサイト。
こうやって、科学の眼で検証していくのもまた一興ですね。