吉村正講演会 いのちのために、いのちをかけよ

23日の日曜日は『吉村医院・お産の家院長 吉村正講演』でした。
場所は糸島のお寺さん。曹洞宗龍国禅寺


きらっきらしてて綺麗なお堂でした。禅寺もいろいろあるんですなあ。


「糸島産家プロジェクト」というところの主催イベントだそうです。ほうほう。地域に助産院があるのはいいことだね。ぜひ、頑張っていただきたい。久留米、つか筑後にもできたらいいねえ。黒木とか。薪割りし放題(笑)


ご存知ないかたも多いと思いますので、吉村先生のご紹介。


吉村正(よしむらただし)

1932年愛知県岡崎市生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。二十八歳から吉村医院院長。 以来、二万例以上のお産をとりあげる。自然なお産を行う伝統的な日本家屋「お産の家」を 建築し、医院の裏庭に江戸時代中期の古民家、通称「古屋」を移築。妊婦たちが薪割り、板戸ふき、井戸の水くみ、畑仕事などを行いながら、体と心づくりに励む場となっている。趣味は骨董。全国を講演会で回るなど精力的に活動している。 主な著書に『お産って自然でなくっちゃね ある産科医の真実の提言』(農文協)、『お産! このいのちの神秘二万例のお産が教えてくれた真実』(春秋社)、『「幸せなお産」が日本を変える』(講談社)、写真集『幸せな、お産Happy Birth wonderful moments 』(現代書館)、 DVD ブック『しあわせなお産をしよう自然出産のすすめ』(春秋社)など。



「吉村医院」
http://www.ubushiro.jp/

吉村医院の象徴的存在は、裏庭に移築された築300年の古民家でしょうか。古屋労働といいまして、薪割り、鋸挽き、雑巾がけ、畑仕事などの昔ながらの労働を体験。妊婦は安静に!という現代の常識からいうとめまいがする方もおられるでしょうが、自然なお産に必要な力強くしなやかなからだと心を養うきっかけになります、とのこと。


とはいえ、すべての妊婦さんが吉村医院に入ればつるっと産める!というわけではなく、どうしても産む為の体ができず提携病院での帝王切開で、という例も年に数例はあるそう。ま、そらそうだわな、というか提携病院があることは大きな安心だと思います。産まれてこの方現代医療にどっぷり教育されてきた人には、なかなか不安がぬぐえないと思いますし。周囲から「なんでそんなとこで産むの?」という心無い声に悩んだ、という例もあったそうです。


また、和室の分娩室(通常のもあるそうですけど、ほとんどがこちらだそう)や、母子を分けない保育、母乳保育なども。


地域によっては産婦人科の崩壊、出産難民などという言葉が出来たりしておる時代です。ちょっと検索すれば厳しい現状が見えてきます。

昔とちがい、基礎体力の無い妊婦さんが増えた今。病院で産むのが普通だと思っていましたが、基礎体力をきちんと付け、自然のリズムに帰れば「お産は病気じゃない」んですよね。病気でもないのに病院に入るのはおかしいよね?人間は本来、自然の一部であり動物だよね、と。
陣痛促進剤の使用や、赤ちゃんの吸引、帝王切開の多用や、豪華な「出産ディナー」や出生直後の赤ちゃんへの砂糖水の投与など、自然でないことが多く行われているようです。俺、産んで無いからわかんないけど(笑)

もちろん、母体の安全などを考慮して、という事例もあるんでしょうけど、人間の都合を優先する事例が多そうですね。


「赤ちゃんが泣くのはね、怖いから泣いてるんだよ。自然につるっと産むとね、しばらく寝てるときがあったりするんだよ」というスライドの説明が印象的でした。


ちなみに正常分娩のみ助産婦さんのいる助産院や、自宅での出産が可能です。もちろん、検診はきちんと受けることが前提で。


妊婦さんの四人に一人ができちゃった結婚という時代だそうですけど(出産の割合であり、結婚の総件数に占める割合ではないことに注意)、きちんと赤ちゃんを産む準備をして、というのはなかなか難しいのでしょうかねえ。


地湧社から本がでています。

「いのちのために、いのちをかけよ」 
http://www.jiyusha.co.jp/mokrok/books/206-6.html



【目次】

はじめに
1 章 七十八歳の産科医がたどりついたお産
クスリも医療機器も使わないお産/幸せな、お産/赤ちゃんが泣く理由/ごろごろ、ぱくぱく、びくびくしない/お産は文化の根本

2 章 認識論---世の中をどのように見るか?
理性的認識と感性的認識/数値、データの危うさ/お産の良し悪しは顔を見ればわかる/本能で産み、本能で可愛がる/産科医学書なんて嘘ばっか/生物学的異常はほとんどない/今の産科医療は金儲け/お産に医者はいらない/「助産院がいい」は間違い/産科大学をつくるべき/ 理性は人間を薄っぺらにする/感情の中に �いのち� がある/理性的科学がすべてになっちゃいかん/調教された家畜社会/あぶないのがいい/病気はクスリで治るのか/妊娠すると貧血になる/話し合ってもわからない/本当の人生の体験をしろ/楽しちゃいかん、楽しく生きろ

3 章 宗教論
科学的認識でわからない部分がある/なぜセックスをすると赤ちゃんができるのか/インチキ宗教と科学的認識に神はいない/神は心で想うもの/�神覚�でお産を診る/死を賭して事にあたる/死は必ずしも敗北ではない/生まれる、生きる、そして死ぬ/生まれ方は親子関係に影響する/女にゃ勝てん

4 章 性欲論
種の存続がいのちの根本/性欲が衰えている原因/日本民族は性を大切にしていた/不妊について/男は男らしく、女は女らしく

5 章 文化論---日本人の心をとり戻す
古屋が教えてくれた/農耕社会に帰れ/骨董が語る/現代芸術と民芸とお産/山桜に思う/戦艦大和に思う/人間の文化の根本を変えよ

6 章 余禄
ひげ/「はい、チーズ」とラジオ体操/ビリビリの足袋がいい/保障社会はだめ/風が吹くから枝が揺れる?/五七五七七/おしどり/ぐずぐず/おやじ

7 章 対談---お産は喜び 吉村正×島袋伸子
吉村医院が教えてくれたこと/女とはいかなる性か/六十兆の細胞一つ一つに�女の印�がついている/女の力は封印された/性は神聖である/なぜ、産道を通って生まれてくるのか/なぜ、陣痛があるのか/母親の察知力母乳と育児/子育ては胎教から始まる/真の女性性が動き出せば世の中は変わる

おわりに


蔵肆でも扱ってましたが、お蔭様で売り切れ。ちかいうち入荷予定です。