くちなし

配達に伺ったお客様の庭先に「くちなし」が。



本来でしたら年末に赤く熟し収穫しますが、日当たりのせいか、それとも今年の冷え込みのせいか、まだまだのようです。
収穫後は乾燥して数年持ちます。





輪切りにして水にひたせば、あっというまに黄色に。この水でお正月にキントンの芋を煮たり、餅つきのときに黄色いおこわを炊いたりしたそうです。黒木町笠原では、お葬式のときにお坊様用の食事はこの「黄飯(おうはん、きめし)」が出るそうです。


すこし調べてみたらこの「黄飯」、大分県臼杵の郷土料理だそうで。その源流はキリシタン大名で知られる大友宗麟が影響を受けたスペインまで!その郷土料理であるパエリアの影響を受けているともいわれているそうです。あちらはサフランでしたっけ。あるもので、なんとか近いものを、ということでしょうか。


くちなしと違い、独特の香りが特徴のサフラン。日本に伝わってきたのは大友宗麟没後約350年、1900年ごろ。いまでは大分県竹田市が生産量の8-9割を占めるそうです。ここにも大分県・・・。


色の成分は同じカロチン。古代ギリシアではサフランの黄色が珍重され、王族だけが使うことを許されるというロイヤルカラーとされた時代もあるとか。


殺菌力の強いくちなし。また太陽の色でもあり、高貴な色としても知られる黄色。昔の人はどんな思いをこめて調理していたのでしょうか。