グリセリン結晶化に纏わる都市伝説

グリセリン -wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%83%B3


ライアル・ワトソン「生命潮流」に書かれたとする「間違った逸話」が、様々な引用・脚色を経て、シンクロニシティの代表的伝説となっている。
間違った逸話は以下のとおり。
世界中の科学者がどのようにしてもグリセリンは結晶化しなかった。
1920年代のある日、イギリス貨物船のある樽のグリセリンが一樽、偶然に結晶化した。
世界中の研究所から、種結晶を求める申し出が殺到した
熱力学に詳しいある二人の科学者が、入手した種結晶を使って結晶化に成功すると、実験室の全グリセリンが密閉容器内のものを含めて自然に結晶化した。
この日を境に、世界中のグリセリンが 17.8 °C で結晶化するようになった。
しかし「生命潮流」が参考文献とした、カリフォルニア大のギブソンとジオークが書いた論文(1923年)には、グリセリン結晶を作る際のコツが記述されているのみである[14][15]。
グリセリンは世界中の科学者がどのようにしても結晶化しなかった。
ギブソンとジオークも、イギリスの偶然結晶化したグリセリンを入手した。
グリセリン結晶が到着した後であったが、ギブソンとジオークは温度管理をすることで種結晶なしでも結晶を作ることができるということを発見した。
グリセリンを −193 °C に冷却後、一日以上の時間をかけてゆっくりと温度を上げ、17.8 °C にすることで結晶化する。
無論、現代のグリセリンも種結晶なしで、単に 17.8 °C にするだけでは結晶化しない。なお、グリセリンではなくニトログリセリンにおいてこのような逸話が語られることもあるが、ニトログリセリンの場合でもこれは事実ではない。


そもそも一番最初に種結晶となる偶然結晶化したグリセリンが、どうやって結晶化したのかはかかれていませんが。偶然-193度にはならんよなー。


1923年に参考文献とありますんで、そのへんの歴史をみてみますと、1900年過ぎには超伝導の研究で液化ヘリウムだとか、1933年4月にジオークが磁気冷却の最初の実験(このときは0.25Kまで)を行ったりしていますね。
このへんの素材につかおうとあれこれ試してた中、グリセリンも冷やしてみたら・・・とか。まあ、妄想ですが。



しかし、あれはガセネタだったとは・・・。
私たちの世代が学校でならった「士農工商」もガセだったと最近知りましてちょっとびっくり。




参考:冷凍・低温技術の歴史
http://fnorio.com/0104history_of_freezing_&_cooling_technology1/history_of_freezing_&_cooling_technology1.htm