二年ぶりの再訪


久留米の居酒屋「笑喜家 たけし」のご主人に誘っていただいて、このみ畜産さんを再訪してまいりました。以下のリンクは一昨年にお邪魔した際のものです。


「2010-09-21 馬の屠畜現場見学記」
http://d.hatena.ne.jp/wwwkurashijp/20100921/1285041348



すこし、お肉をとりまく環境が変わってきたので久々にblogなぞ。


いちばんの話題はやはり焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受けて、「レバ刺し」がご禁制の品になりそう、と。
食中毒を防ぐため、厚生労働省は牛の生レバー(肝臓)を食品衛生法で禁止する方針です。早ければ、2012年6月以降はまぼろしの一品となりそう。まあ、もちろん地下に潜るんでしょうけど。常連だけ、とかね。


すでに、ユッケは潜ってるみたい(笑)

「“闇ユッケ”名前を変えて提供…常連客だけ裏メニュー」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/533468/


で、塩素(400ppm!)での殺菌だとか、食品添加物による殺菌なども検討されている、と。


「レバ刺し禁止撤回できる? 第3の殺菌法で内部の菌ゼロに」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120418-00000552-san-soci

加熱、消毒薬以外の第3の手段として考えられるのが食品添加物による殺菌。食品添加物の中には食中毒菌に対して殺菌効果のあるものがある。カルシウム製剤もその一つで、大阪市内のメーカーが特許を持つカルシウム製剤は、O157に対する除菌効果も確認されている。


しかしねえ、こういう法規制しても、規制されるのは「お店」であって「お客」じゃないんですよね。
体調が悪い人は食べない、子供、老人は食べない。そもそも、レバ刺しや生肉食べるなんてのはリスクが高い行為であって、分別のついた大人が楽しみで食べるもんでやんしょ。


ちょうど、厚生省がパブリックコメント募集中デス。

「「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)」の一部改正(牛肝臓の規格基準設定)に関する御意見の募集について」

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495120047&Mode=0


連休明けまでご意見募集中、とのことなので、一言どうぞー。



帰り際に、皆でお昼をたべよう!と直営の「馬庵 このみ」へ



「馬庵 このみ」
福岡県うきは市吉井町生葉785−2
0943−75−3338


写真はたけしさんのFBより拝借
なんとなく、普段より長めに「いただきます」と手をあわせたのでした。


こういう生々しい現場を見ることに賛否ありますねー。
うちの弟なんかも「なんでにーちゃん八百屋なのに馬みにいくのん?」的な。
妻に「今日の写真みる?」つったら全力で拒否されたしw


んだよー、おまえだって大根抜いたりするじゃーん、ほうれん草切るじゃーん、あいつらもしかしたら「抜かないで〜!」「切っちゃイヤ〜!」つってるかもしれんのよ、聞こえんだけかもしれんのよ〜、と言ったけどまあ嫌がる気持ちもわかります。すまん。


ただね、やはり「食べる」ということに当事者意識を持ちたい、という。
野菜だけでなく、菜種や海苔、牛乳や昆布、醤油、味噌などなど、さまざまな食品づくりの現場にお邪魔してきました。
そこには、さまざまなこだわりや伝統、ノウハウなどがありますが、やはりそれを生業にされているだけあって、生なんですよ。


現代では職業が細かくわかれて、大半のことがわからずとも暮らしていけるようになりました。結果、人類は文明的になり進歩したわけですが、対価として大半のことがブラックボックスとなりました。
知る必要のないこと、関与できないこと、縁遠い事柄には、人間は興味をもちません。興味の湧かない事柄にはだれしも雑に対応します。
実際、自分も子供を授かるまで(ひととおりの知識として知ってはいても)と、授かってからの知識量、経験量ってのは格段にちがうでしょう。なにより、子育てに参加することによって得られる当事者感はまったく別世界ですね。


やっぱさあ、現場に手ぇつっこんで何ぼですよ。現場百回ですよ。
うすっぺらい言葉をどう積み重ねても、現場で動いているかたに鼻で笑われて終わりです。でも、すこしだけでも、その現場の香りをお伝えできたらなあ、と思います。



実際、写真を公開するのは控えております。見たい方は、個人的にそっとお見せしますので、店頭でお声がけくださいな。