港に戻って海苔をつくるぜ編

午前四時半。港に戻って、船倉の海苔をポンプで陸上のトラックに圧送します。
トラックで工場まで行き、工場の貯海苔槽?(笑)に移します。


こっからしばらくお休み。朝ごはんをいただきました。


というのも、あまり早朝からだと近所からの苦情が・・・、とのこと。
昔はどこも海苔生産者だったため、そういったこともなかったのでしょうが、時代ですねえ。


まずは、海苔の洗浄。ビニール袋の破片や、葦の切れ端などを取り除きます。
その次に、ミンチにかけます。
海苔って、結構長いんですよね。収穫編の網の写真をみてもらえればわかるかと。
MAX90cmくらいでしょうか。水温にもよりますが、伸ばそうと思えば、結構伸びそうです。
ただ、病気が入りやすくなるので、その前に収穫してしまいますが。


で、水分量を調整して、「スミ」「ミス」と言われる、まあなんちゅうか巻き寿司つくるときの網があるじゃないですか。あれがたくさん繋がった機械に送り込みます。

2009/01/29追記
「スミ」ではなく「ミス」でした。「御簾」なのか。
いわゆる、スダレですね。




これを二時間半かけて乾燥させていただきます。
この間も機械任せではなく、微妙な調整の繰り返しです。



はようでてこんかなー。



いよっしゃー!!


と、ここからまた選別。
カメラの画像認識を利用した選別機で自動的に混入がある海苔ははねられていきます。



この、カッターの刃先数ミリのところに糸くずがほんの5mmほどまぎれていました。


選別されたA品は、10枚で一折、それが10束でひとくくり、それが36束で一箱。
この箱単位でセリにかけられていきます。


ちなみに、この海苔の大きさ。産地によって微妙に規格が違うらしいです。



意外と、海のことを知らないことに驚きでした。
あと、陸上と違った怖さがあること。夜だったからかもしれませんが、こう、独特の緊張感がありました。畑ですと、まあ畦から落ちてもしれてますが、海はねえ・・・。
「したらいかんことってなに?」と船に乗る前に古賀君に聞いたら「落ちんでください」とだけ。確かに、分からんし、拾いにいけんし。


また、横のつながりがはっきりしています。共同体意識の強さ、と言い換えられるかな。
ぜんぶ丸見えなんですよね。網の高さ、干出の時間、刈り取りのタイミング。畑では、ハウスの中まではよう見らんですし。病気も、一箇所が出せば、あっというまに広がってしまいます。無酸処理、と簡単にいいますが、さまざまな条件が絡み合っての海苔作り。陸上の「無農薬」とは違う難しさがそこにはあります。


もうひとつ。水の大切さ。

大量に水を使うんですよね。
収穫した海苔を船倉にポンプで入れる際は脱水していれますんで、陸上に上げる際には河口の水を使って「ゆるめて」送りますし、海苔の洗浄などにも多量の水を使います。
水をきれいに、とは言いますが、たとえばビニール袋が飛んでいって、それがばらばらになって分解した破片が見えないけれど川の中を漂っているわけです。


また、設備投資も大きいですよね。機械類で優に一億は超えますし、船、燃料代、電気代。もろもろ計算するとえらいこっちゃな世界です。流れるお金が大きいから、一見楽そうに見えますけど、ね。


ちとまとまりが無いのですが、とりあえず、このへんで。
真面目なレポートは後日、店頭で。


最後に、仕事場にお邪魔して、いろいろとぶしつけな質問にも答えてくれた古賀君、そして古賀君のお父さん、お母さん、ありがとうございましたっ。


参考サイト


有明海漁業協同組合連合会
http://www4.ocn.ne.jp/~ariake/