さてさて、伝統的な世界はここでおしまいおしまい。


現在流通する大部分の醤油は、原料、製造法など、昔とはずい分違います。

  • 一般的な現在の醤油作り

現在、大きなメーカーで作られている製造方式は三つあります。本醸造方式、新式醸造方式、アミノ酸混合方式です。ただ、後半二つはまだやってるのかな?新式はやってそうだなー。あまり安いと怖いですね。なんでミネラルウォーターより安いんだろ?ってな醤油が特売でやってますよね。

1.本醸造方式

これは基本的には上記の製造過程と同じですが、大手メーカーのものは、原料の大豆は外国産の脱脂加工大豆(大豆油を取った残りカス)、外国産小麦が使われるのが一般的です。脱脂加工大豆を使うのは、安いこと、歩留まりがよいこと、早く醤油になる(数週間でできます)ことが理由です。


早く、安く、欲しいときに欲しいだけできるのはメーカーにも、消費者にも良いのですが、そのままでは旨みも風味も足りません。出来てくるのはまあ、茶色い液体ですね。


化学調味料(「アミノ酸等」と表示される)、醸造アルコール、合成甘味料がそれを補うために添加されます。さらに、防腐剤、おり下げ剤(圧縮する時、おりを下げる薬剤。ポポロつったかな。確か大塚製薬あたりが大手だったかと)、ろ過剤なども使われます(外国産大豆、小麦はポストハーベストの危険ありますし、そもそも小麦だって小麦粉取ったあとの残りだったりする場合もありますよ)


2.新式醸造方式

大豆(油をとった残りの「脱脂加工大豆」がほとんど)を塩酸などの強酸液に入れ、急速にタンパク質を分解、苛性ソーダソーダ灰)で塩酸を中和させ、アミノ酸液を作り、こうじを加え、短時間で熟成させます。当然、化学調味料人工甘味料、防腐剤、着色料を加え、味や体裁を整えています。主に、業務用に使われる醤油です。



3.アミノ酸混合方式

がまだこうじを使っているのに対し、100%化学合成で作られる方法です。大豆や小麦グルテンを強酸液に入れ、タンパク質を分解しアミノ酸を作り、苛性ソーダで中和してできたアミノ酸液に味付け、着色、防腐剤を入れて作る(これが醤油か!。やはり業務用、加工用原料となります。


この、3に関しては都市伝説がおおい部分だったり。髪の毛から!とか。いやいやいや…。
髪の毛を使うならば、たとえばもろみを搾る際に髪の毛で編んだ布を使う、とかはありえるかも。昔、油を絞るときに使ったとかなんとか聞いた覚えがあります(超うろおぼえ、ソースなしなんで信用すんなよ!)