キューバは有機農業大国っていう言説をよくみかけますが


有機農業で自給を達成した』キューバに隠された真実
http://ameblo.jp/green-breakers/entry-10476650301.html

2008年、キューバは日本に対する輸入代金の支払いができなくなった、と通告してきました。日系企業合計で約200億円。この背景には、食糧の輸入へと優先的に外貨を振り向けた事情があった、とのこと。


このエントリー中のリンク先にはこんな記述も。

「再び、再び有機農業について」
http://estudio-cuba.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-2502.html

「日本からは、常時『キューバ有機農業視察旅行』と題して、旅行社が競争のように企画を組んでいる。旅行社には安定した人数が見込めるのであろう。10数名、数十名でグループを組み、定番コースである農業省(ベラ農業相補佐官)、熱帯農業基礎研究所(アドルフォ・ロドリゲス所長)、オルガ・オオエさんの有機農場を訪問し、有機農業が行われていることを自分の目で確かめて、満足して帰国する。しかし、本当にそうであろうか?」

しかし、小生のささやかな研究ではあるが、キューバ政府が、「政策として有機農業で食料の自給に取り組む」方針を出したとは一度も見たことも、聞いたこともない。


ではこの「小生のささやかな研究」が正しいとすると、だれが、どういう意図、経緯で、「キューバ有機農業の国」という印象を広めた/広がったんだろうか?


もしかして、言葉の定義の違いかなあ。2000年に改正JAS法が施行されるまで「有機」ってのは「自称」だったんですよね。大手メーカーも、こぞって「有機栽培〜」みたいな表示をバンバンやってて、じゃあどのへんが有機やねん、とつっこんでみると生ゴミの中で育てたような野菜を使っていたり。


しかも、2000年3月末までの製造分に関しては「移行期間」との猶予措置で表示に根拠がなくてもOK!とのお達しだったので、ぎりぎりまで増産していたメーカーが多かったなあ。どことは言わんけど。一度つぶれた某○ース屋さんとか。


だもんで、「肥料を自給している」くらいの意味合いで「有機農業立国 キューバ」となってしまったんじゃなかろうか、と愚推いたしますが、はてさて。


自分の目で見ているつもりでも、いざフィールド外だとわかんなくなっちゃうことが多いですよね。特に、海外ツアーとかで産地見学!とかなると、観光旅行と変わんなくなっちゃったり。よくもわるくも、でございます。