海苔から昆布へ

まあ、海のものつながりってことで。
や、今日、函館の漁協組合から昆布が入荷してきたもんで。

昆布は、種類的には20種ほどあるんですが、一般的に手に入れやすいのは以下の三種。

利尻 礼文島を中心に生産される。
一番上品な出汁がとれる。京都だとほぼこれ。

がっつり系。関東の醤油に負けない濃厚な出汁が出る。大き目のサイズも特徴的。
ほぼ相対取引なため、セリにはあまりない。


  • 真昆布

函館近辺。都会部に近いので海の養分も豊富なせいか、甘みが強い。
透き通った出汁色も特徴。関西で主流。
塩昆布おぼろ昆布や昆布〆めなどにも。



抑えておきたい用語。
一部、http://www.torii-kelp.co.jp/index.htmlより。


  • 「走り」「棹前」

漁期の早い時期に採れたもの。
厚みも薄いが、出汁の出は良く、味わいも上品。


  • 「後取り」

漁期後半のもので、厚みが出るまで育っています(見かけは立派)
残念ながら硬く、品質は格落ちとなります。


  • 「天然」「養殖」

表示のないものは、ほぼ養殖。
出汁の出具合は…食べたらわかる。素人でもわかります。

  • 「折(おり)昆布」

折り方と結束方法で折昆布と花折昆布に区別される。折昆布は葉元(頭)部分を切り除き、巻込み葉元を揃えない。8kg、10?、15?、結束。

  • 「元揃え昆布(もとぞろえこんぶ)」

葉元を三日月型にはさみを入れ、ミミ・赤葉などを切り除き充分に葉伸ばししたものを折りたたんで仕上げる。道南元揃は一足8kg、羅臼元揃は15kg。

  • 「囲(ひね)物」

生産された年度のうちに消化されないで次年度に繰り越されたもの。2年度以上にわたるものを、大囲(おおひね)という。

  • 「石(こく)」

海陸産物の旧計量単位。米との交換基準とされ、コンブ一石は40貫=150kg。

  • 「駄(だ)」

昆布の結束単位の名称。昔、昆布を荷馬輸送したところから呼ばれた。太または反とも書く。

  • 「干場(かんば)」

採取水揚げされた昆布を乾燥する場所。乾燥の良い悪いは昆布の干し上がり状態に直接影響するので、近年は砂浜や荒地に割栗石や干草を敷いた改良干場が多くなっている。

  • 「浜格差(はまかくさ)」

同系列の昆布取引きの各寸基準のこと。昆布そのものの品質のほかに、品質改良、需要採算などの要因が勘案されるもので流通動向のほか産地事情などによっても変動することがある。

  • 「山だし昆布」

良質のだし汁を沢山だす高級昆布。

  • 「入漁料(にゅうぎょりょう)」

漁業権を持たないものが、操業を認めてもらう代償として徴収される利用料。貝殻島の昆布漁で出漁船はロシア側に入漁料を支払っている。

  • 「等級掛目(とうきゅうかけめ)」

昆布の産地取引きは、各等級込みで売買されることが多く、普通1等の価格を決め2等以下は予め定められた等級掛率指数(掛目)によって取引きされる。
昆布はいいものだけを買おうと思っても買えない世界。各等級のもののセット売りが基本。

  • 「値決め(ねぎめ)」

昆布の取引きは、東北3県はすべて入札によって価格が決められ、近年は生産量の急増している道南地区の養殖昆布や日高地区の雑昆布なども入札されているが、道内の主要銘柄のほとんどが、道魚連・生産者代表と業界の代表(値決め委員)による値決め交渉によって価格が決められる。




以下、抑えておきたい基礎知識。

同じ真昆布でも、白口元揃、黒口元揃、本場折というように浜の名でその区分は厳密にわけられる。浜のもつ独特の地質や潮の流れなど、昆布が育つ環境の微妙な違いが品質に現れる。また、採れた時期や海の深さによっても品質が多少異なるそうな。


昆布の収穫は6月前後。その後選別、乾燥。
検査、セリ(秋口)のあと、業者の倉庫で寝かせる。一年寝かせると旨みが増すが、三年、四年と寝かせたからもっと旨い、というわけでもない(笑)

根昆布には特に等級なし。

  • がごめ昆布

ちょっと調べ中。どこの産地にもあるのかなあ?
羅臼にも、真昆布にも天然物があるぞなもし…。




この記事がなかなか面白かった。

http://yptcf709.exblog.jp/2429600/

朝は早くて4時にはおきます。で、5時くらいに
天気が良くて、霧がなくて波が強くなければ「黒い旗」があがり
一斉に漁師たちが時間いっぱい昆布を岩からひっこ抜きに行く。

船いっぱいに昆布を乗せて浜に戻ってくると、こんどは
浜に待機していた女、子供、そしてアルバイト達ですばやく昆布を
砂利で敷き詰めた浜に干すのです。この時昆布同士が
くっつかないように干すのは常識です。
昆布は雨が苦手です。天気予報とにらめっこしながら
天気が崩れそうな日は、要注意です。
雨が降れば急いで昆布を回収せねばなりません。
雨に濡れた部分は白くなり見た目が悪いため値段が下がるそうです。
味は落ちないと思いますが商品としては致命的なんです。


〜中略〜


波が弱くても1日じゅう黒旗が上がってることはない。2時間もすれば
今度は「赤い旗」があがる。つまり終了である。

旗は1本2本ではなく、数十メーターごとに設置されており
何処からでも目につくようになっている。

赤旗があがると、岩にこびり付いている昆布は採ってはいけない!
そういうルールなんです。しかし、岩からちぎれて海上を漂ってるような
昆布は採ってもOKなんで、漁は続く。

朝から赤旗があがってるような日は、拾い昆布をします。
文字のごとく浜に打ち上げられている昆布を拾うのです。
ただのアルバイトは拾ってはいけません。それもルールです。