食品の裏側

裏側、といってもヒミツの素材をこっそり・・・とかじゃなくて。


ラベルのお話。


たとえば醤油。

上から「名称」「原材料」「内容量」「賞味期限」「保存方法」「販売者」と並んでおります。
この並び順が決まっていたり、「原材料」の表示順が基本的に重量順だったり、と実に細かく決められているのはご存知の方も多いかと。


で、先日はじめて聞いたのですが、醤油に関しては「そこまで厳密ではない」らしい。
私達が販売させていただいているお醤油は「本醸造」という昔ながらのやり方のものばかりですが、世間には「新式醸造」と呼ばれる醸造法もあります。「混合醸造」ともいいますかね。

「混合醸造方式」について しょうゆ情報センター
http://www.soysauce.or.jp/syurui/shin.html

「諸味」に大豆(脱脂加工大豆)のたんぱく質を塩酸分解してつくったアミノ酸液(または酵素分解調味液、または発酵分解調味液)を加え、熟成させます。
アミノ酸特有のうまみを生かしたしょうゆで、地域によってはこの特徴が好まれます。


だいたい世間の二割くらいはこの方式。九州はこの方式がわりと多いですねー。コストダウンと製造期間の短縮に有効な方法なのです。

この「アミノ酸液」(または酵素分解調味液、または発酵分解調味液)もいろいろあってややこしい。
酵素分解調味液」とは、大豆を酵素で分解したもの、「発酵分解調味液」とは小麦グルテンを発酵、分解したものです。これもまた、分解の過程に塩酸を使ったりするのですが、これはすべて回収されますので表示の義務はありません。


んで、この「アミノ酸液」、重量順に書いてないのでだいたい4番目くらいにきたりとか。ただし、時代の流れでしょうか、よろしくないよね、ということで一年くらいかけて是正していくんじゃないかなー、とのこと。ラベルの印刷ロットも馬鹿になりませんからね。ちなみにラベル、数万枚単位で印刷です。もうねー、表示の基準とか、変わるたびに廃棄してたら食品の利益なんてふっとんでしまいます。